2019.09.30 14:50葛城・一言主の彼岸花と高天原今年の彼岸花は秋分の日より一週間ほど遅れているようです。9月の終わりにかけて、葛城古道や飛鳥といった大和の田園地帯では、よく実った稲穂で金色の田んぼの畦に、赤いラインが鮮やかに走っている風景が見られました。この写真は葛城・一言主神社の参道の両側に広がる彼岸花の群生です。
2019.09.27 12:31磐余池を《見る》「磐余の池に鳴く鴨を‥」の歌碑がある吉備池廃寺から南西に800メートル行くと、磐余池の候補地として発掘が行われた場所に着きます。東池尻・池之内遺跡です。約300メートルにわたり延びる高さ2〜3メートルの土手状の高まりで、10年前から発掘調査が行われ、人工的な堤であることが確認され...
2019.09.26 11:43吉備池の歌碑群と磐余池の幻初瀬街道は名張から室生、榛原を経て長谷寺門前を通り、やがて桜井に至ります。古事記に出てくる上古の宮跡が数多くある桜井市。なかでも磐余地域には、履中天皇の磐余稚桜宮、継体天皇の磐余玉穂宮、用明天皇の磐余池辺双槻宮など、記紀に録される宮が集中しています。そして書紀履中天皇条には、「磐...
2019.09.24 13:38夏見廃寺と名張の山斎宮から伊勢本街道を西に向かい、途中で雲出川を下って、国道165号、かつての初瀬街道を再び西に向かいます。弟の死を知らされ、飛鳥の都に戻る大伯皇女のたどった道は、詳しくは分かりません。青山高原の下をトンネルで越え、名張市に入ると、もはや伊勢ではなく、伊賀の国。流れる名張川もやがて...
2019.09.20 12:43家城ラインと名松線伊勢本街道は仁柿峠で津市美杉村に入ります。この村には南北朝時代の北畠氏庭園や桜並木で知られる三多気、大きな露天風呂がいくつもある美杉リゾートなど、穴場的な観光地がいろいろあります。とりわけ、伊勢本街道の宿場町の雰囲気を残す奥津には、JR名松線の終着駅伊勢奥津があり、2時間に1本し...
2019.09.19 12:58深野のだんだん田弟である大津皇子の悲報に接した大伯皇女は、大和へ向かいます。二人行けど行き過ぎ難き山道を、彼女はどうやって越えていったのか。史料は全く残っていませんが、古道が手がかりを示しています。今も絶え絶えに残る、伊勢本街道を西へと向かっていきます。斎宮を起点に、国道166号を西へ20キロ、...
2019.09.15 13:13大伯皇女を追いかけて近鉄特急で伊勢志摩に向かうと、伊勢中川を過ぎたあたりから起伏がなくなり、田園の中を快走します。松阪を経て、櫛田川を渡ってしばらく行くと、左手にだだっ広い空き地が出てきて、あれっと思うまもなく駅を通過します。ここが飛鳥時代から南北朝の頃まで存在した斎宮(さいくう)、伊勢神宮の天照大...
2019.09.09 11:00久々利と泳と八十一鱗の誇り日本書紀景行天皇条に、天皇が三野(美濃)を訪ねた時、弟姫という美女がいると聞いて、行宮に池をつくり、鯉を放して誘いをかけた話が載っています。結局、弟姫は鯉を見に行くものの、天皇の誘いは拒み、代わりに姉の八坂入媛を妃に推します。八坂入媛は13人の子を産み、その一人が13代成務天皇と...
2019.09.05 11:24ハマユウの孔島へ8月の終わり、新宮市三輪崎にある孔島を訪ねました。ハマユウの群生地があり、ほかにもハマヒルガオやノアサガオなど、珍しい植物が見られる島です。ハマユウの花期は7月から8月で、ぎりぎり間に合った感じです。
2019.09.04 11:49越中の二上山を《見る》今回、越中の万葉巡りをした目的のひとつに、二上山を見たい、という思いがありました。吉野から奈良の学校に通っていた私にとって、二上山は親しみ深い存在でした。とりわけ、大和国中を南北に縦断する(私鉄で最長の直線区間もあるそうです)橿原線の車窓から見る二上山は、雄岳と雌岳ご均整のとれた...