谷川俊太郎の宇宙展
令和の発案者と言われる中西進氏が館長を務める富山市・高志の国文学館。万葉ツーリズムのつもりで訪ねたら、谷川俊太郎さんの企画展をやってました。
一部を除いて写真を撮ってもいい展覧会。最近増えてきましたね。「生きるということ」で始まる詩「生きる」と、それぞれのフレーズをテーマにした写真が並んでいます。
私にとって一番響いた「生きる」のフレーズは、「あなたと手をつなぐこと」です。
今さら特筆する話でもありませんが、谷川さんはパソコンで詩を書いています。企画展では、谷川さんご使っていた20年以上前の初期のワープロ「書院」が展示されています。この企画展で私が一番じーんときたのは、このワープロと、一緒に展示されていたVAIOやMac bookでした。
私が大学を出た30ウン年前、卒論をワープロで提出するのが初めて認められた頃でした。字が下手な私はとにかくワープロが欲しくて、月賦で買ってバイトで返す。でも1年もたてば、飛躍的に進化した新製品が出てきて、月賦を返すと同時に買い換える、といったバカな買い物をしていました。就職した時、上司に「原稿用紙に書かないとまともな文章なんてできない」と言われて、こいつアホか、と心底思ったのを思い出します。
その上司がアホだったことは、とても短い歴史的時間が証明しています。パソコンで打っても、スマホでも、ひとに伝わればそれは文章。最近は声の読み取りソフトもすごくなっていて、スマホに向かってしゃべれば私の関西弁もしっかり字にしてくれます。それはきっと、古代から変遷してきた「書く道具」が終焉を迎え、もともとの「声としての言葉」に戻っていく転換点なのでしょう。
おみやげに、15編の詩を自分で選んでつくる「わたしの谷川俊太郎詩集」を買いました。20の詩から選ぶのですが、なかなか落とす5編が選べなくて、最後は色で選びました。
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